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【中学受験国語】記述問題を空欄にしない!「短く書く」から始めるコツ

国語

2025.08.06

【中学受験国語】記述問題を空欄にしない!「短く書く」から始めるコツ

記述嫌いなお子様は本当に多いです・・・

中学受験の国語で多くのお子様が苦手意識を持つのが記述問題です。

「何を書いたらいいのかわからない…」 「うまく書けないから、いつも空欄にしてしまう」

このような悩みを抱えるお子様は少なくありません。しかし、記述問題で点数を落とし続けるのは非常にもったいないことです。

実は、記述問題のコツは「完璧を求めず、まずは短く書く」ことから始まるのです。

記述問題でつまずく理由

1. 完璧主義の落とし穴

多くのお子さんが記述問題を難しく考えすぎています。

よくある思い込み:

  • 「長く書かないといけない」
  • 「難しい言葉を使わないといけない」
  • 「完璧な文章を書かないといけない」
  • 「一度で正解を書かないといけない」

これらの思い込みが、記述問題への恐怖心を生んでしまいます。

2. 「白紙恐怖症」

何も書けないことへの恐れから、考えることすら諦めてしまうお子さんもいます。

悪循環のパターン:

  1. 記述問題を見る
  2. 「難しそう」と感じる
  3. 何も思い浮かばない
  4. 時間だけが過ぎる
  5. 結局空欄で提出

この循環を断ち切ることが、記述問題克服の第一歩です。

「短く書く」から始める基本戦略

まずは一言から

記述問題では、いきなり完璧な答えを書こうとせず、思い浮かんだことを短く書くことから始めましょう。

例:心情を問われた場合

❌ 悪い例:何も書かない

⭕ 良い例:「悲しくなったから。」

たったこれだけでも、0点が2点や3点になる可能性があります。
これは本当です。サピックスでさんざん採点を行ってきた私が言うのですから間違いありません(笑)

シンプルな表現で十分

中学受験の記述では、難しい表現は必要ありません。

基本的な表現例:

  • 心情:「嬉しい」「悲しい」「驚いた」「困った」
  • 理由:「〜だから」「〜ため」
  • 様子:「〜している」「〜のような」

段階的なレベルアップ方法

Step 1:とにかく何か書く

まずは空欄をなくすことが目標です。

心がけること:

  • 一語でもいいから書く
  • 完璧でなくてもOK
  • まずは思ったことを素直に

Step 2:理由を一つ加える

基本の答えが書けたら、「なぜそう思うのか」を一つ加えてみます。

例の発展:

  • 基本:「悲しくなったから。」
  • 発展:「大切なものを失って悲しくなったから。」

Step 3:本文の根拠を加える

本文の内容を参考にして、より具体的にします。

例のさらなる発展:

  • 基本:「悲しくなったから。」
  • 発展:「大切なものを失って悲しくなったから。」
  • 完成形:「長年大切にしていた人形を壊してしまい、取り返しのつかないことをしてしまったと悲しくなったから。」

問題タイプ別の「短く書く」コツ

心情を問う問題

基本パターン:「○○な気持ち(だから)」

  • 「嬉しい気持ち。」
  • 「心配な気持ちになったから。」
  • 「後悔している。」

理由を問う問題

基本パターン:「○○だから」

  • 「雨が降ったから。」
  • 「約束を破られたから。」
  • 「期待していたから。」

内容説明の問題

基本パターン:「○○すること」

  • 「友達を助けること。」
  • 「一生懸命練習すること。」
  • 「家族を大切にすること。」

表現技法の問題

基本パターン:「○○を○○にたとえている」

  • 「心を空にたとえている。」
  • 「時間を川の流れにたとえている。」

実践的な練習方法

家庭でできる練習

1. 一行日記

毎日一行でいいので、その日あったことと気持ちを書く習慣をつけましょう。

例:

  • 「テストで100点を取って嬉しかった。」
  • 「友達とけんかして悲しくなった。」

2. 質問ゲーム

保護者の方がお子さんに質問し、短く答える練習をします。

質問例:

  • 「今日一番楽しかったことは?」→「給食のデザートを食べたこと。」
  • 「なぜ楽しかった?」→「大好きなプリンだったから。」

3. 絵本や物語の感想

読んだ本の感想を一行で書く練習をします。

授業での活用法

1. 時間を区切って書く

「まず1分で思いついたことを書いてみよう」と時間を区切ることで、考えすぎを防げます。

2. 友達の答えを参考にする

他の人の短い答えを聞くことで、「これくらいでいいんだ」という安心感が生まれます。

3. 段階的に発展させる

基本の答えから、みんなで意見を出し合いながら発展させていきます。

よくある質問と対策

Q:短すぎて点数がもらえないのでは?

A:空欄の0点よりも、短くても書いた方が確実に点数になります。まずは部分点を確実に取ることから始めましょう。

Q:文法が間違っていても大丈夫?

A:多少の文法ミスがあっても、内容が伝われば点数はもらえます。完璧を目指さず、伝えることを重視しましょう。

Q:どんどん長く書けるようになるの?

A:短く書くことに慣れると、自然と「もう少し詳しく書きたい」という気持ちが生まれてきます。その気持ちを大切にして、少しずつ要素を加えていけばよいのです。

記述力向上のための長期的な取り組み

語彙力の強化

短く書くためにも、適切な言葉を知っていることが大切です。

おすすめの取り組み:

  • 日常会話で感情を表す言葉を意識して使う
  • 読書で出会った表現をメモする
  • 類語辞典を活用する

読解力の向上

本文の内容を正確に理解できれば、記述もしやすくなります。

基本的な取り組み:

  • 音読で文章に慣れる
  • 要約の練習をする
  • 登場人物の気持ちを考える習慣をつける

保護者の方へのアドバイス

子どもを励ます言葉かけ

  • 「短くても書けたね!」
  • 「今度はもう少し詳しく書けるかな?」
  • 「どうしてそう思ったの?」

避けたい言葉かけ

  • 「もっと長く書きなさい」
  • 「これじゃダメ」
  • 「もっと上手に書けるでしょう」

お子さんの小さな成長を認め、記述への抵抗感をなくすことが何より大切です。

まとめ

記述問題は決して難しいものではありません。「短く書く」ことから始めて、段階的にレベルアップしていけば、必ず上達します。

今日から実践できること:

  1. 記述問題を見つけたら、まず一言書いてみる
  2. 完璧を求めず、思ったことを素直に表現する
  3. 短い答えから少しずつ要素を付け足していく

「悲しくなったから。」

この一行から始まる記述の世界があります。お子さんの可能性を信じて、まずは短く書くことから始めてみてください。

記述問題への恐怖心がなくなれば、国語の得点は必ず向上します。一緒に頑張りましょう!

何かありましたら、いつでもお問合せくださいませ。

小島一浩

小島 一浩Kojima Kazuhiro

早稲田大学法学部を卒業後、塾講師としての道を歩みはじめ、市進学院やサピックスにて中学受験指導に携わってきました。講師歴は20年以上にわたり、御三家をはじめとする最難関校から中堅校まで、幅広いレベルの受験生を指導しております。

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