「視線を落とす=悲しい」で思考停止していませんか?物語文の記述で差がつく「心情の解像度」
中学受験の国語、特に物語文の読解において、多くの子どもたちがぶつかる「偏差値の壁」があります。
それは、登場人物の微妙な心の揺れを、ありきたりな言葉で片付けてしまうことです。
その「視線を落とす」は、本当に『悲しい』だけ?
問題文に「彼は黙って視線を落とした」という一文があったとします。
この時の気持ちを問う記述問題で、圧倒的多数の子が書く答え。それは……
「悲しい気持ち」
残念ながら、これでは難関校の採点官から「△(部分点)」、あるいは「×」を食らってしまいます。なぜなら、人の心はそんなに単純ではないからです。
心情は繊細に、そして複雑に“枝分かれ”している
「顔を伏せる」「視線を落とす」という動作の裏側には、文脈によって全く異なる感情が隠されています。これを私たちは「心情の枝分かれ」と呼んでいます。
| ニュアンス | 具体的な心情語 |
|---|---|
| 怒り・不満の枝 | 悔しい、憤り(いきどおり)、納得がいかない |
| 罪悪感の枝 | 後ろめたい、申し訳ない、合わせる顔がない |
| 困惑の枝 | いたたまれない、決まりが悪い、戸惑っている |
| 孤独の枝 | 寂しい、疎外感、誰にも分かってもらえない |
物語読解の鍵は「心の解像度」を上げること
記述問題で高得点を取る子は、この「枝分かれ」の中から、その場面に最もふさわしい言葉を「選別」する力を持っています。
例えば、親に嘘をついて遊びに行ったことがバレた場面で「視線を落とす」のは、悲しいからではなく「後ろめたくて、合わせる顔がないから」ですよね。
この「精度の高い言葉選び」こそが、採点官に「この子は深く読めているな」と思わせるポイントなのです。
特に「空気を読まない(読めない?)」男子諸君へ!
正直に言いましょう。この「心情の選別」、特に男子にとっては苦行に近いかもしれません(笑)。
「だいたいそんな感じじゃん!」「細かすぎ!」という声が聞こえてきそうですが、受験国語は「心の論理パズル」です。日常で空気を読む必要はありませんが、テスト用紙の上だけでは、誰よりも鋭い観察眼を持ってください。
「悲しい」という便利な言葉を一度封印してみる。
これだけで、お子様の国語力は化けます。がんばりましょう!