「読めたつもり」を「得点力」に変える!
読解のスピードと精度を両立させる「戦略的メリハリ読解術」
国語の試験が終わった後、お子さんに「どうだった?」と聞いて「読めたよ!」という答えが返ってきたのに、結果を見たらボロボロ……。そんな経験はありませんか?
中学受験国語において、「字面を追うこと」と「内容を構造的に理解すること」は全く別物です。
⚠️ 多くの受験生が陥る「全文要約」の罠
「読解力をつけるために、この文章を150字で要約してみなさい」
一見正しく思えるこの指導、実は多くの中学受験生にとって学習効果が薄い、あるいは逆効果になることすらあります。
なぜなら、文章をぼんやりと丸ごと捉えようとすると、子供は「言葉を切り貼りして埋める作業」に終始してしまい、「どこが重要で、どこが補足なのか」という肝心のメリハリを失ってしまうからです。
1. マクロの視点:文章を「三つの波」で捉える
文章には必ず「設計図」があります。一字一句を同じ熱量で読むのではなく、まずは大きな流れを掴む「マクロの視点」を持ちましょう。
物語なら「いつ、どこで、誰が、どんな状況か」。説明文なら「筆者は何を問題視しているのか」。ここを外すと、その後の展開が全てズレます。
話題がどう変化し、どんな具体例や対比が持ち出されているか。ここは「なぜこの話をしているのか?」を常に問いながら読みます。
筆者が一番伝えたかった「核心」や、登場人物の「決定的な変化」が現れます。ここまでの流れをどう締めくくるかに注目します。
2. ミクロの視点:重要箇所を「顕微鏡」で解読する
全体の流れを掴みつつ、得点源となる急所(ポイント)では、スピードを落としてじっくりと向き合わなければなりません。
● 筆者の主張と対比構造
説明文において「AではなくBである」「かつては〜だったが、現在は…」という対比が出てきたら、そこが試験問題の宝庫です。Bこそが筆者の言いたいことであり、その対比軸を丁寧に整理できるかどうかが偏差値の分かれ目です。
● 心情の変化と比喩の正体
物語文では、比喩表現(まるで〜のような)が多用されます。しかし、比喩はあくまで飾りです。「その比喩が指し示す『生身の感情』は何なのか?」を自分の言葉に置き換える(=換言する)作業を怠ってはいけません。
確かな理解への「黄金サイクル」
読解力を上げるためには、以下のサイクルを習慣化しましょう。
- 【俯瞰】 読み始める前にリード文や注釈を見て、文章の背景を推測する。
- 【集中】 接続詞や心情語に印をつけ、重要箇所は「ミクロ」に精読する。
- 【整理】 読了直後、1分だけかけて「結局何の話だったか」を頭の中で図解する。
おわりに:保護者ができる最高のサポートとは
「このお話を要約して」と聞くのではなく、もっとピンポイントに、構造を突く問いかけをしてみてください。
「前半と後半で、主人公の気持ちはどう変わったかな?」
「筆者が『AよりBが大事』と言っている、その理由は何だろう?」
こうした「視点の切り替え」を促す問いかけこそが、お子さんの脳にメリハリのある読解回路を作ります。一見遠回りに見えますが、これが確実な「読解力の向上」への最短ルートなのです。