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【中学受験国語】効率的な読解のカギは「傍線部の近くから攻める」こと
国語2025.08.02

昨日の授業時に改めて気づいたこと
中学受験の国語指導をしていると、読解問題で時間がかかってしまう子には共通した特徴があることに気づきます。
昨日の授業でも改めて感じたのですが、なかなか答えが見つからない、なかなか答えを決められない子は、傍線から離れたところから手がかりを探そうとしてしまう傾向があるのです。
この記事では、そんな悩みを解決する効率的な読解アプローチをご紹介します。
よくある間違ったアプローチ
「遠くから探す」という落とし穴
多くのお子さんが陥りがちなのが、傍線部の問題を見つけると、いきなり文章の冒頭や全く関係のない段落から答えを探そうとしてしまうことです。
このアプローチの問題点:
- 時間がかかりすぎる
- 関係のない情報に惑わされる
- 本当のヒントを見落としてしまう
- 焦って判断ミスを起こす
悪循環のパターン
- 傍線から離れた場所から探し始める
- なかなか答えが見つからない
- 時間がかかって焦る
- さらに判断力が鈍る
- 結果的に間違った答えを選ぶ
この悪循環に陥ってしまうお子さんを数多く見てきました。
推奨する基本アプローチ:「近くから攻める」
1. まず傍線部の前後を丁寧に読む
解答の手がかりは、傍線部の近くにあることが多いです。
具体的な読み方:
- 傍線部の前2-3行を読み返す
- 傍線部の後2-3行を先読みする
- その範囲内で答えのヒントを探す
2. 傍線部そのものに注目する
見落としがちですが、傍線部分自体にヒントが隠されている場合も多くあります。
チェックポイント:
- 主語は何か?
- 修飾語は何を修飾しているか?
- 指示語(「それ」「この」など)は何を指しているか?
- 語尾の表現(断定・推定・疑問など)
3. 段落の構造を意識する
傍線部が含まれる段落の中での位置関係も重要です。
- 段落の冒頭:その段落の主題を表すことが多い
- 段落の中間:具体例や説明が含まれることが多い
- 段落の末尾:まとめや結論が述べられることが多い
実践的な解法手順
Step 1:問題文の確認
まず何を答える問題なのかを明確にします。
- 理由を問う問題(「なぜ」「どうして」)
- 内容を問う問題(「どのようなこと」「どんな気持ち」)
- 表現技法を問う問題
Step 2:傍線部の精読
傍線部を丁寧に読み、文の構造を把握します。
注目すべき要素:
- 主語・述語の関係
- 修飾語の係り受け
- 接続語の意味
- 指示語の指す内容
Step 3:前後の文脈確認
傍線部の前後3行程度を読んで、文脈を確認します。
Step 4:答えの候補を絞り込む
選択肢がある場合は、傍線部周辺の情報と照らし合わせて候補を絞ります。
Step 5:最終確認
選んだ答えが傍線部の内容と論理的に一致しているかを確認します。
例外的なケース:遠くに根拠がある場合
基本は「近くから攻める」ですが、確かに解答の根拠が傍線から離れた場所にある問題も存在します。
そんな時の見極め方
- 傍線部周辺を読んでも手がかりが見つからない
- 指示語が遠くの内容を指している
- 対比や因果関係が文章全体に及んでいる
遠くを探す時の注意点
- まずは近くを十分に探してから
- 段落の区切りを意識して探す
- キーワードを手がかりにする
- 時間配分を意識する
時間短縮のコツ
1. 読む範囲を意識的に限定する
最初から文章全体を読み直そうとせず、必要な範囲に絞って読みましょう。
2. キーワードをマークする
重要そうな語句にマークをつけながら読むと、後で探しやすくなります。
3. 問題の種類別に戦略を使い分ける
- 理由を問う問題:「だから」「なぜなら」などの接続語に注目
- 心情を問う問題:感情を表す語句に注目
- 内容説明:具体例と抽象的表現の関係に注目
練習方法のアドバイス
家庭でできる練習
- 音読練習
- 傍線部を含む段落を音読する
- 文の区切りを意識して読む
- 質問ゲーム
- 保護者が傍線部について質問する
- お子さんが根拠を説明する
塾での学習ポイント
- 先生の解説では「なぜその部分に注目したか」を必ず確認
- 間違えた問題では「どこから探し始めたか」を振り返る
- 正解した問題でも根拠の場所を確認する
よくある質問と回答
Q: いつも近くから探してもダメな場合は?
A: まず傍線部の語句の意味を正確に理解できているか確認しましょう。語彙力不足で傍線部の内容が理解できていない場合があります。
Q: 時間内に解けない場合は?
A: 一問に時間をかけすぎないよう、目安時間を決めて練習しましょう。難しい問題は後回しにする判断も大切です。
Q: 選択肢で迷った時は?
A: 傍線部の内容と最も論理的に一致するものを選びます。感情的な判断ではなく、客観的な根拠に基づいて選択しましょう。
まとめ
中学受験の国語読解で効率的に正解を導くためには、「傍線部の近くから攻める」という基本アプローチが重要です。
遠くから探そうとして時間をロスし、焦って間違えるという悪循環を断ち切るために、まずは傍線部とその前後を丁寧に読む習慣をつけましょう。
もちろん例外的なケースもありますが、まずは基本を徹底することで、確実に読解力と解答スピードの両方を向上させることができます。
日々の練習で、この「近くから攻める」アプローチを身につけ、国語の得点力アップを目指してください。
何かありましたら、いつでもお問合せくださいませ。