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【中学受験国語】解説を聞いても本番でその発想にどうやって辿り着くの?」という疑問に答える指導法
国語2025.08.24

この疑問、誰もが一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。問題の解説を聞いて「なるほど」と納得はするものの、実際に一人で問題に向き合った時、同じような発想に辿り着けるかどうか不安になる。これは非常に重要で、かつ本質的な問題提起だと思います。
従来の解説の限界
多くの問題解説は「正解への道筋」を示すことに重点を置いています。確かにそれも大切ですが、それだけでは不十分です。なぜなら、解説を聞いている時点で「答えを知っている状態」だからです。実際の試験や実践の場面では、答えがわからない状態で問題に取り組まなければなりません。
ここに大きなギャップがあります。「答えを知っている状態での理解」と「答えを知らない状態での問題解決」は、全く異なるスキルなのです。
「再現可能な解法プロセス」の重要性
本当に必要なのは、「次はどうやったら自力で解けるか」という視点での指導です。これは単なる知識の伝達ではなく、思考プロセスそのものを体系化して伝える作業と言えるでしょう。
具体的なアプローチ
- 線の引き方のルール: 文章問題での重要箇所の見つけ方、図表での着目点など、視覚的な情報整理の技術
- 記述の組み立てパターン: 論理的な文章構成の型、説明の順序、結論への導き方
- 要注意の表現: 問題文でよく見落としがちなキーワードや、誤解を招きやすい表現への対処法
本番は一人で戦う場面
試験会場には先生はいません。解説書もありません。参考書を見ることもできません。そこにあるのは問題と、これまでに身につけた知識・技術だけです。
だからこそ、指導する側は「教師がいない環境でも機能する思考プロセス」を生徒に身につけてもらう必要があります。これは知識の暗記とは全く異なる、より高次元のスキル習得と言えるでしょう。
プロセスの体系化
効果的な指導のためには、以下のような段階的なアプローチが有効です:
- 問題認識パターンの習得: 「この種の問題では、まず何を確認するか」
- 情報整理の技術: 「与えられた情報をどう整理し、何を求めるべきか」
- 解法選択の基準: 「複数のアプローチがある中で、どれを選ぶべきか」
- 検証方法の確立: 「自分の答えが正しいかどうかをどう確認するか」
これらは単発の知識ではなく、相互に関連し合ったシステムとして機能します。
真の指導とは
結局のところ、真の指導とは「再現可能な解法プロセス」を身につけさせることだと考えています。これは一朝一夕に身につくものではありませんが、体系的に取り組むことで必ず習得可能です。
生徒が一人でも確実に問題に取り組めるようになること。これが教育者としての最大の使命であり、日々精進を重ねる理由でもあります。