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【中学受験国語】文章読解のカギ「問いかけ表現」を見落とさない読み方
国語2025.10.30
文章読解のカギ「問いかけ表現」を見落とさない読み方
文章を読むとき、あなたは「問いかけ表現」を意識していますか?実は、この問いかけ表現こそが、文章全体の構造を理解するための重要な道しるべなのです。
今回は、読解力を大きく向上させる「問いかけ表現」の見つけ方と活用法について、詳しく解説していきます。
「〜か。」で終わる文は要注意!
まず覚えておきたいのは、「〜か。」で終わる文には特別な意味があるということです。
これは単なる疑問文ではありません。多くの場合、筆者が読者に投げかける「問い」であり、その後の展開を予告する重要なサインなのです。
問いかけ表現には、文章の中での役割があり、それは出現する位置によって大きく異なります。見逃してしまうと、文章全体の流れを掴み損ねてしまう可能性があるのです。
位置で変わる問いかけ表現の役割
問いかけ表現は、文章のどこに登場するかによって、その意味合いが大きく変わってきます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
序盤の問いかけ → その文章のメインテーマ
文章の序盤、特に冒頭近くで登場する問いかけ表現は、その文章全体で扱われるメインテーマを示していることがほとんどです。
たとえば、「なぜ私たちは学ぶのか。」という問いかけで始まる文章があれば、その後の展開はすべて、この問いに対する答えを導き出すために書かれていると考えてよいでしょう。
序盤の問いかけを見つけたら、「この文章は何について書かれているのか」という大きな方向性が見えてきます。読み進める際の軸となる重要なポイントです。
中盤の問いかけ → 話題転換のサイン
文章の中盤で問いかけ表現が出てきたら、それは話題が切り替わるサインだと考えましょう。
「では、別の視点から考えてみよう。果たしてそれは本当だろうか。」といった形で、筆者は新しい視点や異なる論点を導入する際に、問いかけ表現を使います。
この問いかけを見逃してしまうと、「あれ、話が変わった?」と混乱してしまうことがあります。逆に、問いかけ表現に注目していれば、「ああ、ここから話題が変わるんだな」とスムーズに理解できるのです。
中盤の問いかけは、文章の構成を理解するための区切り線のような役割を果たしています。
終盤の問いかけ → まとめや結論への導入
文章の終盤に登場する問いかけ表現は、まとめや結論へと話を導く役割を担っています。
「それでは、ここまでの議論から何が言えるだろうか。」といった問いかけは、それまでに述べてきた内容を総括し、最終的な結論を提示する前触れです。
終盤の問いかけを意識することで、「そろそろ結論が来るな」という心構えができます。そして、その後に続く筆者の主張や結論を、より深く理解することができるのです。
実践!問いかけ表現を見つけたらすぐにマークする習慣を
問いかけ表現の重要性を理解したところで、次は実践です。
問いかけ表現を見つけたら、その場ですぐにマークする習慣をつけましょう。
具体的な方法としては:
- 「〜か。」の部分に線を引く
- 余白に「問」や「Q」といった記号を書き込む
- その問いに対する答えが書かれている箇所も、一緒にマークする
このひと手間を加えるだけで、文章の構造が驚くほど明確に見えてくるようになります。
問いかけ表現で文章の構造が見えてくる
問いかけ表現に注目する読み方を身につけると、文章全体の骨組みが透けて見えるようになります。
序盤の問いかけで「テーマ」を掴み、中盤の問いかけで「話題の転換点」を認識し、終盤の問いかけで「結論の予告」を察知する。この三つのステップを意識するだけで、読解力は格段に向上します。
特に、論説文や評論文、説明文といった論理的な文章では、この読み方が非常に有効です。筆者の思考の流れを追いやすくなり、複雑な内容でも整理しながら理解できるようになります。
今日から実践してみよう
問いかけ表現を意識した読み方は、特別な訓練を必要としません。今日読む文章から、すぐに実践できます。
新聞記事でも、ビジネス文書でも、小説でも、あらゆる文章に問いかけ表現は潜んでいます。それを見つけ出し、その役割を考えながら読むことで、あなたの読解力は確実にレベルアップしていくでしょう。
「〜か。」という問いかけ表現は、筆者からあなたへのメッセージです。それを見落とさず、しっかりと受け止めることが、文章を深く理解するための第一歩なのです。
さあ、次に文章を読むときは、問いかけ表現を探しながら読んでみてください。きっと、今までとは違った景色が見えてくるはずです。