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【中学受験国語】4・5年生が読解の壁を越えるために:今こそ習慣づけの時期

国語

2025.11.10

【中学受験国語】4・5年生が読解の壁を越えるために:今こそ習慣づけの時期

4・5年生が読解の壁を越えるために:今こそ習慣づけの時期

中学受験を目指すお子さんをお持ちのご家庭にとって、4年生、5年生は大きな転換期です。特に国語の読解において、この時期に訪れる変化は見逃せません。

4・5年生で訪れる「読解の壁」

この時期から、どの塾でも読解の授業で扱う文章の難しさがグンと上がります。

サピックスに通われているご家庭なら、B授業のテキストを思い浮かべていただくとわかりやすいでしょう。4年生の前半までは比較的取り組みやすかった文章が、この時期を境に急に手応えが変わってきます。

何が変わるのでしょうか?主に次の2点です。

文章の長さとテーマの多様化

文章が長くなる
長文を最後まで集中して読み切る体力が必要になってきます。途中で集中力が切れてしまうと、設問に答えられなくなってしまうのです。

テーマが多岐にわたる
低学年では、子どもにとって身近な題材が中心でした。しかし4・5年生になると、環境問題、戦争、家族の形、人生観など、抽象的で深いテーマの文章が増えてきます。単に文字を追うだけでなく、背景知識や人生経験も必要になってくるのです。

だからこそ、復習が何より大切

文章が難しくなる今だからこそ、授業の復習をしっかりしていきましょう。

「授業で一度やったから大丈夫」と思いがちですが、それは大きな誤解です。難しい文章こそ、繰り返し向き合うことで理解が深まっていきます。

必ずやるべき3つの復習

復習には様々な方法がありますが、特に次の3つはマストです。

1. 音読

授業で扱った文章を、声に出して読み直しましょう。黙読では気づかなかった文章のリズムや、登場人物の感情が見えてきます。

音読することで、文章の構造が頭に入りやすくなり、読むスピードも自然と上がっていきます。

2. 本文中の言葉の意味調べ

授業中に「わからないな」と思った言葉、先生が説明してくれた言葉を、改めて辞書で調べ直しましょう。

この時期から語彙力の差が、読解力の差に直結してきます。一つひとつの言葉を丁寧に理解していくことが、後々大きな力になります。

「この言葉、こういう意味だったんだ」という発見が積み重なることで、次に同じような文章に出会った時、スムーズに理解できるようになるのです。

3. 解き直し

間違えた問題はもちろん、正解した問題も含めて、もう一度解いてみましょう。

「なぜこの答えになるのか」を、本文の根拠を示しながら説明できるようになることが目標です。授業で先生が説明してくれた解法を、自分の言葉で再現できるかチェックしてみてください。

ここで曖昧なまま進んでしまうと、6年生になった時に基礎力不足で苦労することになります。

忙しい毎日でも、習慣づけを

他の教科の宿題もあり、習い事もあり、お子さんもご家庭もお忙しいことと思います。

でも、ここで国語の学習習慣をつけておくことが、6年生になってからの飛躍に繋がります。

6年生になると、過去問演習が始まり、時間的な余裕がどんどんなくなっていきます。その時になって「国語の基礎が固まっていない」と気づいても、立て直すのは非常に困難です。

逆に、4・5年生のうちに:

  • 長い文章を最後まで読み切る集中力
  • 抽象的なテーマを理解する思考力
  • 語彙力と読解の基礎体力
  • 毎日コツコツ復習する習慣

これらを身につけておけば、6年生での伸びが全く違ってきます。

毎日少しずつ、確実に

完璧を目指す必要はありません。毎日15分でも20分でも、国語の復習に時間を使うこと。その積み重ねこそが、後々大きな差となって現れます。

お子さん一人では難しい場合は、最初は保護者の方が寄り添ってあげてください。「一緒に音読しよう」「この言葉、どういう意味だったかな?」と声をかけるだけでも、お子さんのモチベーションは変わります。

まとめ:今が踏ん張りどき

4・5年生は、読解力を大きく伸ばせる時期であると同時に、差がつき始める時期でもあります。

  • 文章の難易度が上がる転換期
  • 復習(音読・意味調べ・解き直し)がマスト
  • 今の学習習慣が6年生での飛躍につながる
  • 完璧でなくても、毎日少しずつ継続することが大切

頑張っていきましょう。

お子さんの国語学習について、何かご不明な点やご質問がございましたら、いつでもご連絡くださいませ。一緒にお子さんの成長を支えていきましょう。


小島一浩

小島 一浩Kojima Kazuhiro

早稲田大学法学部を卒業後、塾講師としての道を歩みはじめ、市進学院やサピックスにて中学受験指導に携わってきました。講師歴は20年以上にわたり、御三家をはじめとする最難関校から中堅校まで、幅広いレベルの受験生を指導しております。

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