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【中学受験国語】「分かった」と「できる」は別物。本番で使える力を身につける方法

国語

2025.12.16

【中学受験国語】「分かった」と「できる」は別物。本番で使える力を身につける方法

「分かった」と「できる」は別物。本番で使える力を身につける方法

塾で先生の解説を聞いて「なるほど!」と納得する。問題の解き方が分かって、すっきりした気持ちになる。

でも、ちょっと待ってください。それは本当に「できる」ようになったと言えるでしょうか?

実は、多くの生徒がここに大きな落とし穴があることに気づいていません。

「理解」と「実行」の間にある深い溝

授業で先生が「正解の道筋」を示してくれます。その説明を聞けば、誰でも「そういうことか」と理解できるでしょう。

しかし、試験中に一人でその思考ルートを発見できるかは、まったく別の話なのです。

先生という”道しるべ”がある状態での理解と、何も手がかりがない本番で自力で解くことの間には、想像以上に大きなギャップがあります。

これが、多くの生徒が陥る落とし穴です。「授業では分かるのに、テストになると解けない」という現象の正体は、まさにここにあります。

本番は完全に孤独な戦い

試験会場を想像してみてください。

そこには、あなたと問題用紙と解答用紙だけ。先生はいません。教科書も参考書もありません。友達に相談することもできません。

本番は完全に孤独な戦いです。

その場で、自分の頭だけを使って:

  • 問題文のどこが重要か見抜く
  • 本文のどこに線を引くべきか判断する
  • 記述問題をどう書き始めるか決める
  • ダメな表現を避けながら答案を作る

これらすべてを、一人で実行しなければならないのです。

「先生が教えてくれた通りにやればいい」と思っていても、その「先生が教えてくれた通り」を、自分一人で思い出し、再現できなければ意味がありません。

必要なのは「再現性のある技術」

では、どうすればいいのか?

答えは明確です。「次また出たら自分で解ける」技術を身につけること。

これこそが本当の学力であり、指導の本質だと考えています。

再現性のある技術とは?

再現性のある技術とは、誰にでも、いつでも、どんな問題でも使える具体的な方法のことです。

例えば:

どこに線を引くか

  • 「接続詞が出たら必ずマークする」
  • 「『つまり』の後は筆者の主張だから線を引く」
  • 「対比を示す表現(一方、しかし)が出たら両方に印をつける」

記述をどう書くか

  • 「まず本文から該当箇所を探して、その表現をベースに組み立てる」
  • 「主語と述語を最初に決めてから、修飾語を足していく」

ダメな表現は何か

  • 「『〜など』は曖昧だから記述では使わない」
  • 「『思う』『感じる』は客観性がないので避ける」
  • 「主語がないと何について書いているか不明確になる」

こうした明確で具体的なルールこそが、再現性のある武器なのです。

「なんとなく」を排除する

成績が伸び悩んでいる生徒の多くは、「なんとなく」で解いています。

  • なんとなくここが大事そう
  • なんとなくこの選択肢が正しい気がする
  • なんとなくこう書けばいいかな

この「なんとなく」が、再現性を奪う最大の敵です。

なぜそこに線を引いたのか、なぜその選択肢を選んだのか、明確に説明できるようになって初めて、本当の実力がついたと言えます。

「先生がそう言ってたから」ではなく、「この接続詞があるから話の流れが変わる。だから線を引いた」と自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。

技術の言語化が鍵

自分が使っている技術を言葉にして説明できるかが、再現性を測るバロメーターです。

「できたけど、なぜできたか説明できない」状態は危険です。次も同じようにできる保証がありません。

逆に、「こういう理由で、こう考えて、こう解いた」と明確に言語化できれば、それは確実に再現できる技術になっています。

指導者の役割:武器を渡すこと

優れた指導とは、単に正解を教えることではありません。

生徒が一人でも戦える「武器」を渡すこと。これが指導の本質だと考えています。

その武器とは:

  • どんな問題にも使える思考の型
  • 具体的で実行可能な解法の手順
  • 自分で判断できる明確な基準

これらを身につけた生徒は、先生がいなくても、初めて見る問題にも対応できるようになります。

家庭でできる「再現性チェック」

お子様の学習が「理解」で止まっているのか、「再現できる技術」になっているのか、簡単にチェックする方法があります。

問題を解いた後に聞いてみる

  • 「なんでその選択肢を選んだの?」
  • 「どうしてそこに線を引いたの?」
  • 「その記述、どういう順番で考えて書いたの?」

明確に、具体的に説明できれば合格です。「なんとなく」「たぶん」という言葉が多ければ、まだ再現性のある技術になっていません。

別の問題で試してみる

授業で習った方法を、違う問題で使えるか試してみましょう。

「先生が教えてくれたやり方、覚えてる?じゃあこの問題でもやってみて」と促してみてください。

迷わず実行できれば、それは本物の技術です。

「分かる」から「できる」へのステップ

では、どうやって「分かる」を「できる」に変えていけばいいのでしょうか。

ステップ1:技術を明確にする

授業で学んだ解法を、具体的な手順として書き出す。「①まず〜をする、②次に〜を確認する、③最後に〜で判断する」のように。

ステップ2:自分の言葉で説明する

その手順を、誰かに説明してみる。説明できなければ、まだ理解が浅い証拠。

ステップ3:別の問題で実践する

同じ技術を使って、違う問題を解いてみる。うまくいけば、技術が身についた証拠。

ステップ4:振り返って改善する

うまくいかなかった部分を分析し、技術をブラッシュアップする。

このサイクルを回すことで、「理解」が「再現可能な技術」に変わっていきます

まとめ:本番で一人で戦える力を

解説を聞いて納得することは、学習の第一歩です。でも、それだけでは不十分。

試験中に一人でその思考ルートを発見できるか。これが本当の学力です。

本番は完全に孤独な戦いです。そこで使えるのは、再現性のある技術だけ。

  • どこに線を引くか、明確な基準を持つ
  • 記述をどう書くか、具体的な手順を知る
  • ダメな表現は何か、はっきり理解する

「なんとなく」を排除し、「だからこうする」と言える状態を目指しましょう。

「分かった」で満足せず、「次も一人でできる」というところまで持っていく。この意識の違いが、成績を大きく変えていきます。


小島一浩

小島 一浩Kojima Kazuhiro

早稲田大学法学部を卒業後、塾講師としての道を歩みはじめ、市進学院やサピックスにて中学受験指導に携わってきました。講師歴は20年以上にわたり、御三家をはじめとする最難関校から中堅校まで、幅広いレベルの受験生を指導しております。

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