「サピックスの国語、解答を見ても解説を読んでも、どうやってその答えに辿り着くのか分からない…」
「テストの点数が乱高下して、クラス落ちが怖い…」
サピックス(SAPIX)の国語は、他塾に比べても圧倒的な記述量と、大人の精神年齢を要求される抽象度の高い文章が特徴です。多くの受験生が「記述を埋めるだけで精一杯」という状態に陥っています。
しかし、実はサピックス生が国語で苦戦する理由は、能力不足ではなく「学習のやり方のミス」にあることがほとんどです。今回は、多くのアルファクラス(上位クラス)予備軍が陥る失敗例と、その具体的な改善策を徹底的に深掘りします。
目次:サピックス国語攻略のロードマップ
- 1. 【失敗例】模範解答を「暗記」しようとしている
- 2. 【改善策】「三点確保」による構成メモの作成
- 3. 【失敗例】Aテキスト(知識・語彙)を軽視している
- 4. 【改善策】「感情語のストック」が読解を救う
- 5. 【失敗例】解き直しで「わかったつもり」になる
- 6. 【改善策】初見の文章を「要約」する力の育成
1. 失敗:模範解答を「暗記」しようとしている
サピックスの記述解答例は、講師が練り上げた「完璧な芸術品」です。これを一言一句写したり、覚えようとしたりするのは、算数の解法を暗記するのと同じくらい危険です。なぜなら、全く同じ問いは二度と出ないからです。
特にBテキストの直しで、赤ペンでびっしり模範解答を写して満足している子は、思考が停止しているサインです。これではテスト本番で「自分の言葉」が出てきません。
改善策:解答の「三点確保」メモ術
直しをする際は、文章を書き写す前に、解答に必要な「3つのパーツ」をキーワードで抜き出す練習をしてください。
【例:主人公の気持ちを答える問題】
- きっかけ: お父さんに嘘がバレた
- 変化: 怒られるのが怖い + 隠していた自分への罪悪感
- 結果: 顔を上げられなくなった
このように、「文章を書く」前に「要素を3つ並べる」メモを作る習慣をつけましょう。たとえ美しい文章が書けなくても、この3つのパーツさえ入っていれば、サピックスの採点基準では大幅な部分点が入ります。「0点か30点か」ではなく「常に20点を積み上げる」姿勢がクラス維持の鍵です。
2. 失敗:Aテキスト(知識・語彙)を後回しにする
Bテキストの重厚な読解に追われ、Aテキストの「コトノハ」や漢字を土日の空き時間にまとめてやっつけていませんか?
サピックスのマンスリーテストや組分けテストでは、知識問題の配点が3割〜4割を占めることもあります。ここで落とすのは、読解問題で苦労する以前の問題です。
改善策:語彙を「感情の解像度」に変換する
「コトノハ」で習う言葉を、単なる暗記ではなく「読解の武器」に変える工夫が必要です。例えば「憮然(ぶぜん)」という言葉を習ったら、以下の問いかけをしてください。
「テストで悪い点を取ったとき、憮然とするのはどんな時?」「それは怒ってるの?悲しんでいるの?」
語彙力とは、心の機微を捉える「解像度」です。言葉を知っていれば、読解文で「主人公が憮然とした表情で…」と出てきた瞬間に、その心情変化を即座にキャッチできるようになります。Aテキストは「読解を楽にするためのツール箱」だと認識を変えましょう。
3. 失敗:解き直しで「内容を覚えている」だけになる
サピックスの授業で扱った文章は、非常に印象的で面白いものが多いです。そのため、家で解き直しをしても「あぁ、あのアリが協力する話ね」と、ストーリーの記憶で解いてしまいがちです。これでは初見の文章を読む力は育ちません。
改善策:要約という「脳の筋トレ」
読解力を底上げする最も強力な方法は、授業で扱っていない「初見の文章」の要約です。ただし、長い文章を要約するのは大変なので、以下の「3行要約」から始めましょう。
- ① だれが: 主人公や筆者は
- ② どうした: どんな出来事(問題)に直面し
- ③ どうなった: どう変化した(解決した)か
週に一度、Bテキストの「家庭学習用」の文章などを使って、この3行を口頭で説明させてください。これができる子は、記述問題で「何を書けばいいか全く見当がつかない」という事態には絶対に陥りません。
まとめ:サピックスの荒波を乗り越えるために
サピックスの国語は、確かに厳しいです。しかし、その厳しさは「本物の思考力」を求めているからです。模範解答に自分を合わせるのではなく、自分の中に「解法の軸」を一本ずつ立てていくこと。そのためのサポートとして、「三点確保のメモ」や「日常の言葉かけ」を意識してみてください。
成績が伸びるまでには少し時間がかかります。でも、正しい型を身につければ、ある日突然、霧が晴れるように文章が読める瞬間がやってきます。その日まで、粘り強く伴走していきましょう。