記述問題の「部分点」に満足していませんか?
模範解答の「後ろ半分」を狙い撃ちする、逆転の合格記述戦略
「長い記述、とりあえず最後まで埋めたのに、点数が全然もらえなかった」
「模範解答と自分の答え、なんとなく似ている気がするのに、どこがダメなの?」
中学受験の国語指導において、最も多い悩みの一つがこれです。一生懸命書いているのに、報われない。実は、記述問題には「採点者が絶対に落とさないポイント」と、「余裕があれば加点するポイント」の2種類が存在します。
多くの子がこの優先順位を勘違いし、模範解答の「見栄えの良い前半部分」ばかりを真似しようとして、最も重要な「核」を書き漏らしているのです。
【新事実】模範解答の「前半」はトップ層へのボーナスステージである
長い記述問題(80字〜100字超)の模範解答をじっくり眺めてみてください。
実は、合格者平均を大きく上回るような子だけが辿り着く「贅沢な加点要素」は、決まって解答の最初の方に配置されています。
本当に重要な、問いに対するダイレクトな答え(核心)は、模範解答の「後半部分」に集まっています。ここを外した解答は、たとえ前半が完璧でも、採点者から見れば「問いに答えていない答案」となり、壊滅的な点数しか与えられません。
1. 心情記述を劇的に変える「A・B・C構造」の解剖
難関校で頻出する「心情の変化」や「複雑な心情」の記述は、ほぼ例外なく以下の3層構造で成り立っています。
「それまで周囲を信じられず、心を閉ざしていた状態だったが…」
※トップ層が点数を積み上げるための「丁寧な補足」です。
「友人が自分のために必死に動いてくれる姿を目の当たりにし…」
※答えに説得力を持たせるための「証拠」です。
「孤独ではないことに気づき、深い安心感と感謝に満たされている気持ち。」
※ここが「問いに対する直接の答え」です。真っ先に書くべき部分です。
お子さんの答案を見てください。A(背景)やB(きっかけ)に文字数を使いすぎて、最も大切なC(核心)が、解答欄の最後の方で「…と思ったから。」と雑に片付けられていませんか? あるいは、Cが書かれないまま時間切れになっていませんか?
2. 模範解答を「写経」するのを、今すぐやめてください
記述が苦手な子に模範解答を写させても、あまり効果はありません。なぜなら、彼らにとって模範解答は「ただの長い一文」に見えており、どこに価値があるのか理解できていないからです。
記述力を伸ばす真の学習法は、模範解答の「解体」にあります。
【実践】記述力を倍増させる「分割・照合」メソッド
- 模範解答にスラッシュ(/)を入れて、パーツごとに切り分ける。
- それぞれのパーツが、本文のどの段落、どのセリフから引用されたものか「指差し」で確認する。
- 「もしこのパーツがなかったら、何点引かれるか?」を一緒に予想してみる。
この作業を繰り返すと、子供は「文章のどこを拾えば記述が作れるのか」という設計図が見えるようになります。
3. 家庭での添削:今日から「逆」に読んでください
親御さんがお子さんの答案をチェックする際、つい最初から読んで「てにおは」の間違いを指摘したくなります。しかし、その添削は後回しで構いません。
記述は「後ろ」からチェックする!
まず、解答の最後の一文(心情の核心や、問いへの直接的な結び)だけを読みます。
「それで、結局どういう気持ちになったの?」と聞き、その答えが模範解答の「最後の方」と一致していれば合格です。
前半部分が足りないのは、単なる「言葉の贅沢」が足りないだけ。後半がズレているのは「理解」がズレている証拠です。
まとめ:記述の成功は「優先順位」が9割
国語の長い記述は、決して「綺麗な文章を書くコンテスト」ではありません。
限られた時間と文字数の中で、採点者が求めている「核心」をいかに早く、確実に放り込めるかの勝負です。
模範解答の最初の方にある「格好いい言い回し」に惑わされないでください。
本当に大切なものは、常に後ろの方に隠れています。
解答を分割し、核心を見極め、そこから書き始める。この逆転の発想が、お子さんの記述力を、そして合格可能性を劇的に引き上げるはずです。