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【中学受験国語】語句知識を「読解の武器」に変える仕組み――熟語の組み立てという論理的思考

国語

2026.02.15

【中学受験国語】語句知識を「読解の武器」に変える仕組み――熟語の組み立てという論理的思考

語句知識を「読解の武器」に変える仕組み――熟語の組み立てという論理的思考

中学受験の国語において、漢字や語句の学習は往々にして「暗記作業」と捉えられがちです。しかし、模試や入試の現場で求められるのは、単なる知識の蓄積ではなく、その言葉が持つ「構造」を瞬時に読み解く力です。

語彙力があると言われる子と、そうでない子の決定的な違い。それは、熟語をひと塊の記号として見ているか、それとも「二つの要素が組み合わさった論理的な単位」として見ているかにあります。

プロの視点:
熟語の組み立てを理解することは、読解の最小単位を攻略することに他なりません。丸暗記に頼る学習は、初見の言葉に出会った瞬間に限界を迎えます。

言葉の「成分」を分析する

例えば、記述問題や選択肢の吟味で頻出する、次のような言葉を考えてみましょう。

  • 「虚実(きょじつ)」:嘘(虚)と、まこと(実)。
  • 「濃淡(のうたん)」:濃いことと、薄いこと。
  • 「緩急(かんきゅう)」:ゆるやかなことと、急なこと。

これらを「対立する概念のセット」として構造的に捉えている子は、文章の中で「虚実が入り混じる」という表現に出会った際、単に「嘘がある」と理解するのではなく、「真実の中に嘘が巧妙に紛れ込んでいる状態」という精緻なイメージを脳内に描くことができます。

一方で、言葉を構造で捉えられない子は、こうした二字熟語を「なんとなく難しそうな響き」として記号的に処理してしまい、結果として筆者の細やかな意図を読み落としてしまうのです。

組み立てを知ることは、文脈を推測する力になる

熟語の組み立てには、論理的な法則があります。

構造のパターン 具体例 読解への応用
反対の組み合わせ 「明暗」「得失」 物事の二面性を対比させる視点を持つ
似た意味の重ね 「収穫」「凍結」 強調されているキーワードを正確に捉える
動詞と目的語 「求職」「納税」 主語と動作の関係性を整理して把握する

以前、ある上位校の組分けテストで、熟語の知識が直接的に読解の鍵となる場面がありました。言葉の意味そのものを問う設問ではありませんでしたが、その言葉が持つ「反対の意味を内包している」という構造に気づけるかどうかが、記述問題の骨子を左右する構成になっていたのです。

「分解」する習慣が、国語の地力をつくる

家庭学習において、新しい熟語に出会ったときは、ぜひ「この漢字をバラバラにして、訓読みしてみて」と促してみてください。

「因果」であれば「原因」と「結果」に分解する。「推敲」であれば、かつての詩人が字句を「推(お)す」か「敲(たた)く」か迷ったという由来から、言葉を練り直す動作をイメージする。こうした「分解と再構築」のプロセスを繰り返すことで、言葉はただの記憶から、思考の道具へと進化します。


語句の勉強を「書けるようにする作業」で終わらせるのは、非常にもったいないことです。
一つひとつの熟語の組み立てに目を向けること。その小さな習慣の積み重ねが、難解な論説文を解き明かすための、揺るぎない読解力の土台となっていくのです。

小島一浩

小島 一浩Kojima Kazuhiro

早稲田大学法学部を卒業後、塾講師としての道を歩みはじめ、市進学院やサピックスにて中学受験指導に携わってきました。講師歴は20年以上にわたり、御三家をはじめとする最難関校から中堅校まで、幅広いレベルの受験生を指導しております。

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