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【中学受験国語】語彙力を伸ばす「生きた言葉」の習得法|問題集を何周しても成績が上がらない理由と、一生モノの語彙ノート術

国語

2026.02.16

【中学受験国語】語彙力を伸ばす「生きた言葉」の習得法|問題集を何周しても成績が上がらない理由と、一生モノの語彙ノート術

語彙力は「暗記」ではなく「出会い」で決まる!
読解力を底上げする本当の言葉の磨き方

「うちの子、語彙力がないんです。おすすめの問題集はありませんか?」
塾の面談で最も多い相談の一つがこれです。しかし、実はここに大きな誤解が隠れています。

1. なぜ「語彙問題集」だけでは限界があるのか?

多くのご家庭が、語彙力を「英単語の暗記」と同じように考えてしまいがちです。しかし、日本語(母国語)の語彙獲得のプロセスは、外国語とは決定的に異なります。

問題集にある一問一答形式で「憮然(ぶぜん)=不機嫌な様子」と覚えたとしても、実際の物語文の中で「彼は憮然として立ち去った」という一文に出会ったとき、その場の空気感や、彼の心にある悔しさまで読み取れるでしょうか?

問題集の限界:
それは、言葉を「点」で覚えてしまうこと。読解に必要なのは、言葉が前後とつながり、感情や情景を連れてくる「線の理解」なのです。

問題集はあくまで、自分が持っている知識の「抜け漏れ」を確認する補完的なツール。それだけでショートカットしようとすると、かえって「言葉の本当の使い道」を知らないまま受験本番を迎えることになりかねません。

2. 語彙力アップの最短ルートは「日常の読解」にある

では、どうすれば「使える語彙」が身につくのか。答えはシンプルです。
「今、目の前にある文章の中の言葉」を、一つひとつ丁寧に、大切に扱うこと。これに勝る方法はありません。

塾のテキスト、テストのやり直し、あるいは新聞や小説。そこには必ず「今の自分には少し難しい言葉」が登場します。その瞬間こそが、語彙力を伸ばす最大のチャンスです。

文脈の中で出会った言葉は、「あ、あの時のあの場面で使われていた言葉だ!」というエピソード(記憶のフック)と一緒に脳に刻まれます。この「エピソード記憶」こそが、忘れにくい生きた知識となるのです。

3. 記憶を定着させる「魔法の語彙ノート」の作り方

わからない言葉に出会ったら、ただ調べるだけで終わらせず、専用のノートに「自分の財産」としてストックしていきましょう。おすすめの構成は以下の通りです。

【一生モノの語彙ノート作成術】

① 言葉と辞書的な意味
まずは辞書を引き、正確な意味を書きます。このとき、似た意味の言葉(類義語)や反対の言葉(対義語)も一緒にメモすると、言葉のネットワークが広がります。


② 出会った文章(例文)の引用
ここが最も重要です!その言葉が含まれていた一文を、そのまま書き写します。「どんな文脈で使われていたか」を記録することで、使い方が一目でわかります。


③ 「自分ならどう使うか?」の短文作成
仕上げに、その言葉を使って自分で短い文章を作ってみましょう。

例:「憮然」→ 宿題を忘れて先生に怒られ、弟は憮然とした表情で自分の部屋に戻った。

自分の日常に引き寄せて使うことで、その言葉は完全にあなたのものになります。

4. 親ができる「最高の語彙トレーニング」は会話にあり

ノートに書くことと並行して、ぜひご家庭でやっていただきたいのが「大人の言葉を隠さない会話」です。

子どもに分かりやすい言葉ばかり選んで話していませんか?
「今日のご飯、おいしいね」を、たまには「今日の味付けは絶妙だね」「このスパイスがアクセントになっているね」と言い換えてみてください。

親が楽しそうに新しい言葉を使っている姿を見ると、子どもも自然と「かっこいい言葉を使いたい!」という意欲が湧いてきます。語彙学習を「苦しい暗記」から「知的な遊び」に変えてあげられるのは、一番近くにいる保護者の方だけです。

まとめ:言葉は、世界を広げるレンズ

言葉を知ることは、今まで見えていなかった「世界の解像度」を上げることです。

問題集の数字をこなすことに追われるのではなく、日々の文章の中で出会う言葉との「縁」を大切にしてください。
その丁寧な積み重ねが、入試本番であなたを助ける最強の武器になります。

さあ、今日から「言葉探し」の旅を始めよう!

小島一浩

小島 一浩Kojima Kazuhiro

早稲田大学法学部を卒業後、塾講師としての道を歩みはじめ、市進学院やサピックスにて中学受験指導に携わってきました。講師歴は20年以上にわたり、御三家をはじめとする最難関校から中堅校まで、幅広いレベルの受験生を指導しております。

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